コミケ3日目のお話 (戦闘編)

 

 

10:00

開場のアナウンスがビッグサイトに響き渡り、士どもの拍手が待機列後方へと伝播する。

 

目前のタリーズコーヒーの案内板に従う者はここにはいない。

目指すのは西34ホール。

肩には空のトートバッグ。

目の前の列がわずかに騒がしくなる。

まもなくだろうか

 

10:10

走り出したい気を抑え、唸るような地響きと共についに列が動きを見せた。

 

三日目の赤色リストバンドを掲げ階段へと差し掛かる。

登りきった先では既に大手サークルの100m近い列が場外に伸びているのが見えた。

 

列の切れ目から建物内部の人の流れを観察する。

壁際と島の間の混雑率、人の流れる方向、いずれも移動時間を大きく左右する重要な情報だ。

目的のサークルから一番近い入り口から入ったからといって最短で行けるとは限らない。そのサークルへと向かう流れと逆向きに大きな流れが存在すれば結果的に遠回りするはめになってしまうからだ。

それと、敢えて大回りすることで他の目的のサークル列長などを把握し、優先順位を変更しより良いルート作成に役立てることもできる。

 

入場口へ向かう途中

どうやら最初に回ろうとしたサークルには既に30~40分級の長さ列ができているようだ。

 

「このサークルは優先度的に見送りだな」

 

場内に入り、1分ほど歩くき次のサークルを見る。

予想通りの列長

場内に収まる程度だが5分は確実に使うだろう。最後尾の札を持った位置からは僅かにサークルスペースが見えている。

 

次のサークルの位置は確認済み。

友人Aは問題なけれは西4から入って回っているはず。Tはどうだろうか、事前に伝えた判断基準通りに回るサークルを決めて並び始めることができただろうか。

 

自分は次のサークルを回る。

 

次も予想通りの5分列。

近くに大手サークルがいない為、こちらは場内に一直線に10m程の列ができている。

 

問題なし

 

さらに次のサークル

連続で3つをほぼノータイムで回ることができた。

ここで10:30

Tに電話する

 

も「どう?列長から判断して並べた?」

 

T「うん。一つ目のサークルに並んでる。おそらく30分はかからない」

 

も「リョーカイ。友人Aがそっちの島は回るから、Tはそこ終わったら南1に移動して、予定通りよろしく。俺は終わり次第移動して南2のもう一つのサークル行く」

 

も「ほーい」

 

 

友人Aに電話をかける。

 

も「一つ除いてこっちの壁サークルは問題なく行けたけどどう?そっちヘルプ要らなければ俺はそのまま島行くけど」

 

A「こっちも一つは後に回すか辞めるサークルがある。もいきんぐはそこ終わったら島よろしく」

 

も「オッケー、この調子ならそっちの担当の島もイケるから西4の壁終わったら西1に降りて島よろしく」

 

A「わかった」

 

10:30

壁を終え、西4の島サークルを回り始める。

3日目とはいえここら辺の島は人も少なく回りやすい。

スムーズに6箇所ほど回り、10分かからず西1へのスロープを下り始めた

 

スロープを降りきった先、西1の場外スペースには予想の遥か上をゆく密度で人々が溜まっていた。

 

10:40

とりあえずこの時の状況を説明する。

 

この頃、開場から絶え間く流れてくる入場者が西1ホール内を通過しするが、その人たちがシャッター付近で動けなくなっていた。

その原因としては、西の4階からスロープを降りて西1へ入る人と西1を通過する入場者の流れが正面衝突していたことが大きな要因である。(下図のように)

 

斜線部で入場者と降りてきた人たちや待ち列に並んでいる人などによって人口密度が極めて高くなり、赤色で示した待ち列はその影響で列移動ができなくなっていた。

 


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そこに近づけば渦に呑まれるように身動きは取れず、そこから脱出する為には目的とは異なる方への流れがあるのみ。それに逆らって進むのは尋常でなく、衝突の起きたエリアで溢れた人によって付近のサークルの一部は販売中止になるほど。例えるならば、乗車率200%の満員電車の中を1号車から5号車まで人を掻き分け進むかのような難しさがあった。

 

結果としてわずか100mを進むのに10分もかかってしまった。

 

友人Aはこの西1の中へ入って濁流に逆らっているのだろう。

 

自分はとにかくここを抜けなければ。

 

必死に前の人の背中との距離を0に保ち、存在しない隙間へと体を滑らせ一歩ずつ進む。時折強すぎる逆流に押し返されながらも着実に南2へ近づいていく。

 

場外にできた列が列移動のために手を挙げても、八方からの圧力により通る隙間など作ることができない。

 

おそらくあの列のできていたサークルは販売を続けることが難しかっただろう。

 

10:50

 

あらゆる方向からの圧力を堪えて南1へたどり着いた。

 

体が濡れている。人混みの中も暑かったが、おそらく自分の汗だけではないだろう。

 

この日一番の気持ち悪さを感じつつも、とてつもない達成感があった。

 

Tはどうだろうか、LINEはラグが大きすぎて使い物にならないが、どうやらTからの連絡が入ってるようなのでこっちから電話をした。

 

も「一つ目は買えた?」

 

T「うん。それで南いって五分くらい前には指定のサークルまでいったけど、列長100mはあるみたいで並んでないけど、どうすればいい?」

 

も「とにかくならんで。いま並べばまだ新刊セット買えるはずだから。こっちが早く終われば並ぶの交代するから」

 

(列長くても、そのサークルに並べる時間作る為に他のサークルは回らなくていいようにしたのに、並ばなかったら意味ないだろ...)

 

T「わかった。」

 

も「ありがとう。そこ終わったらあとは自由だからよろしく。」

 

目的の南2に着くと、目的のサークルが見えた。

どうやら、サークル側が今回提出するジャンルを少々間違えたらしく、本来スペースを置くはずだった西から離れた南2ホールになってしまった。そのためか、少し列長はおとなしめだった気もする。

 

加えて捌けるスピードも早く、ここは5分で終えることができた。

 

あと、売り子のレイヤーさんのコスプレがエロかった。

 

お陰で札数える際に童貞アクトをバッチリキメてしまった。

 

それにしても、南展示棟は空調が素晴らしい。仮設の青海展示棟では空調に不安を感じたが、こちらは仮設でない分、空調の勢いも強く、新設らしい匂いも悪くない。

 

南棟万歳

 

10:55

あとは南の34で少し買い物をして一周目は終る。

南34へのスロープも西と同じで長い。

 

この日は既に両手にそれぞれ4キロほどの戦利品があったので、かなり三角筋と前腕筋に乳酸が溜まって上半身にも疲労がある。

 

南34はかなり日差しが強く、目的の壁サークル2つはそれぞれ待ち時間30~50分といったとこだろう。この時間からだと厳しいかもしれないと判断して、目的を島中へシフトした。

南棟内に入ると、THE IDOLM@STERエリアで目的のサークルを2つほど回り再び場外に出た。やはり南34の壁サークルは諦めよう。優先度的にもそう判断して、この日二度目の西4ホールに向かった。

 

11:15

この日最初に回る予定だったサークルに並び始めた。4階で場外の列だったため、日光が直撃した。暑い。太陽に真上から頭を焼かれ、両手に抱えてる大量のショッパーを持つ手に汗が更に吹き出してきた。

 

ここの壁サークル、列長からして60m弱だから30分と予想したが、結果として50分かかった。

窓口2つだったが想定よりも時間かかってしまい、結局この日買ったのはここが最後だった。

 

11:50

Tから新刊セットを無事手に入れたとの報告が入ったので、彼には指定した時間に再集合することだけを伝えひとまず解散とした。

 

12:05

この壁サークルを終え、友人Aと合流する話を電話で済ませこの日の買い物は終了した。

 

12:30

落ち着いたとこで友人Aと合流してからは好きな先生に空いてる時間を見計らって新刊やグッズにサインを頂くなどして集合時間までを過ごした。

 

 

 

13:20

Tとも集合しこの日はビッグサイトを後にした。

 

戦利品が重くて腕がちぎれそうだったので、友人宅に着くまでは全く体が休まらない。おまけにゲリラ豪雨に襲われ危うく戦利品を濡らしてしまうとこだった。

 

友人宅に着いたらとりあえずコーラやアイスを食べてシャワーを浴びて戦利品報告の準備をした。

3日目ということもあり、早く寝たかったが戦利品の仕分けと、どうしても戦利品を見たい欲が勝ってなんだかんだ10時ほどまでは戦利品報告と感想を言い合ったりしてしまった。(Tは9時で自宅に帰り、友人Aは眠いといって8時には寝てしまったので一時間くらいは一人で仕分けていた)

 

 

終電もあるので10時半には友人宅を出発したがこの日1~3日目までの戦利品を全部持ち帰る必要があったので、10キロはある手提げを持っての帰宅となった。

 

自宅に着いたのは12時過ぎ

早く寝たいが風呂に入ったり翌日の準備をし、気づいたときには朝の2時を回っていた

 

 

三日目お疲れさまでした。

 

次回はようやくコミケ4日目です。